読みました!
SNSでの発信もされている皮膚科医の大塚さんの著書です。
冒頭で「アトピー患者さんの気持ちを全然わかっていなかった」という懺悔のような言葉から始まります。
アトピー患者さんが皮膚科医のことを信頼できずに病院に行くのを辞めてしまうことが多い、ということに触れられていて、
そうそう、そうなんだよ、と思いながら読んでいました。
大塚医師もSNSで発信をすることで、そうした患者さんの気持ちを知ることができたそうです。
診察では肌の状態も見ずにただ薬を出すだけの医者が多い中で、
悩んでいる患者さんに寄り添おうとしている姿勢が見えてとても好感は持てました。
ただ、結局は一番正しいアトピーの治し方=ステロイド、というところが
あまりに強調されすぎている気がしました。
まあ、結局そこだよね、という…。
私が特に違和感を覚えたのはいわゆるアトピーの「民間療法」をエビデンスでひとつずつ検証しているところ。
私は腸内環境を整えることがアトピー改善の基本だと思っていますが、
それってエビデンスでは確立されていないようです。
うーん、そうなのかー。
あと睡眠とアトピーについても現状ではエビデンスが薄い、という記述があり、
この人はエビデンスがないと何も信用できない人なのか、と
ちょっとイライラしました。。
睡眠は肌の修復をするには基本だということは、
体の仕組みを勉強すれば明白な事実だと思うのですが。
そしてステロイド治療については、「エビデンスレベルが最高の標準治療」と言い切っています。
読んでくうちに「エビデンスエビデンスうるせーな。」と少し感じます。
そりゃステロイド使ってれば一見肌の状態は治るだろうに。。
この本で否定している民間療法は確かに怪しいところもあるし、
私も怪しげなアトピービジネスに引っ掛かりそうになったこともあります。
でも、ステロイドを使っても結局治らずに副作用で苦しんでいる人が多いのが現状の中、
やはり薬の治療には限界があるし、症状を抑えているということには変わらないのでは、と思っています。
論文などのエビデンスはなくても、
アトピー患者さんが「これでよくなった」という体験は充分に大事なエビデンスではないでしょうか。
また、新薬デュピクセントについてもツイッターのフォロワーさんが
「効果があった!」という声が多数お見掛けするので、どんな薬なのか気になっていたので
あんまり書いてなかったので個人的には消化不良です。
結局「一番正しいアトピーの治し方」はステロイドとデュピクセントを使ってみましょう、ってことだよね、というのが
この本での主旨だと感じました。
まあ、読む前から予想通りだったわけですけどね。
いわゆる一般的な治療内容について知りたい方はご一読するといいと思います。
アトピーの仕組みや薬の知識、新薬の情報などもあるので、
アトピーの知識を取り入れてみたい、という方にはおすすめの本です。
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